は  じ  め  に

 府南学園理念「希望に向かい,かかわりあいの中で助け合い,頑張りあう元気いっぱいの府南っ子」の育成に向け,校区4小学校,国府小学校,栗生小学校,旭小学校,南小学校とともに,「学びを継続し,充実させる小中一貫教育の創造〜かかわり合い・学び合う授業改善の取組みを通して〜」という研究テーマの下に取り組みを進めているところです。

本校における昨年度の状況は,生徒の各教科授業満足度は4点法で平均3.172.753.60)であり,これは概ね良好と受け止めて良い評価であると考えています。しかし,全体として約1割程度の生徒に,授業中集中力を欠いて私語をする,トイレに出てなかなか帰って来ない,臥せってしまい何度も注意を受ける等,授業がしんどくなっている姿があります。それぞれに授業の工夫をしつつも,落ち着いた授業をと,授業中の見回り指導,教室から出てきた生徒との話し込み,保護者との連携等,これまで取り組んできた方法を粘り強く継続してきました。そういう中で,昨年,福山教育事務所による「学校経営改革推進事業実践指定校」の指定を受け,静岡県富士市立岳陽中学校の取り組みについて研修する機会を得ることができました。岳陽中の取り組みとは,すべての授業に「活動」と「小グループの協同」と「表現の共有」という三つの要素を取り入れ,生徒一人ひとりの学ぶ権利を保障するという授業改革を通し,落ち着いた学校を構築していこうとするものでした。当該中学校の学校改革を協力推進された東京大学大学院教育学研究科佐藤学教授の「生徒は学び続ける限り決して崩れない」という言葉は印象的であり,また,その取り組みは説得力のあるものでした。これまで何度か校区小学校の授業を参観し,活発な子ども同士の発言を活かしながら進めていく授業のありように驚嘆しつつ,そうは言ってもこれは小学生だから成り立つことであって周囲の者の眼が気になる時期の中学生には難しい面があると考えていました。しかし,4人の小グループならどうだろう。解らなかったら尋ねることができるのではないか。尋ねられた生徒は,それに答えることにより学びがより深まっていく。そうして,生徒一人ひとりが自分自身でとらえ,学んだことを発言していき,教師はその発言と発言をつないでいく。小学校のクラス全体でかかわり合う形態から,中学校版「小グループ」での教えあい,学びあい,かかわり合いの授業へ…。まずは,小学校での授業のありようになじんでいる1学年を中心に取り組んで行こう。ここに小中一貫のよさが生まれるのではないか。かくして,本校研究主題「かかわり合いを通して,学びを保障し満足感の持てる授業づくり〜小中一貫教育の推進と小グループの活用を通して〜」と設定するに至りました。

長年の我々自身の受けてきた授業,行なってきた授業からの脱却は,こう書くほどに簡単なものではなく,教師が熱弁をふるい,生徒が静かに黙ってノートする授業のありように,ともすれば魅力を感じ,グループにしたら収拾がつかなくなるのではないかという恐れの前に躊躇し…。勇気と元気をもって,チャレンジしはじめて4ヶ月です。皆様の忌憚のないご意見をいただき,さらに,勇気と元気を奮い立たせていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

終わりになりましたが,本研究を進めるにあたりご協力いただきました富士市立岳陽中学校の先生方に心からお礼を申し上げますとともに,これまでご指導,ご助言をいただきました広島県福山教育事務所,府中市教育委員会,府中市小中学校人材バンクの諸先生方,また,日々ご支援いただいている地域の皆様に深く感謝申し上げます。

平成19919

府中市立第一中学校 

校長 是山 加奈枝